アートの癒しパワー

精神世界に生きたジョージハリスン

 スピリチュアルな世界で生きるということは、心が強くなるという例が多くあります。まずは、スピリチュアルワールドで人生が落ち着きを見せる人の例をご紹介します。だれもが良く知るビートルズのメンバーだったジョージハリスンの一生は、まさにスピリチュアルな世界を探求した人の美しい人生でした。

ジョージハリスンがビートルズで最も若いメンバーであったことは、ファンの間でこそ知られていますが、一般的にはあまり知られていません。あの天才集団で、最も年齢が下であったために、どうしても才能の開花も遅れたといわれていますが、それは単に自分の目上の存在にとんでもない天才2人がいたからでしょう。それはもちろん、ジョンレノンとポールマッカートニーです。ジョージハリスンはそんな天才の中で若き才能を磨いたのです。

さて、ビートルズは1967年に名作「サージェントペパーズロンリーハーツクラブバンド」を発表して世界で天才や神のような存在まで上り詰めました。それは今も変わりませんが、考えてみると、その昇天現象は最年長のジョンが27歳、ジョージハリスンはなんと24歳の時の作品であり出来事だったのです。これは、恐ろしく早熟な人生でしょう。24歳にして、世界は自分の才能に敬礼したのです。ジョージは、この作品ではインドへの精神世界とも言える作品、Within You Without You を完成させていますが、その成熟度も恐ろしく高度なものとして今も残っています。ジョージは、明らかにビートルズにおいて音楽だけでなくスピリチュアルな満足をも求めていたのです。

ジョージは58歳で癌で他界しました。しかし、ジョージのスピリチュアルな世界の成長はその死の時まで終わることがありませんでした。ジョージは、27歳の時にビートルズ解散を経て、All Things Must Passという作品を作りました。そこでは「世界のあらゆるものは過ぎ去っていく」という観念をもって作品を作り、そこには、自分を含めたすべての存在の終焉、死、消滅を当然のこととして考えていた若きジョージハリスンがいました。ジョージには、生死の問題や世界が生まれ終わっていくことを精神の中では美しくも当然のこととして悟りにも似たものを持っていたと思えます。

「植物は芽を出し、枯れては消える。人間もすべての生物も同じく生まれては死を迎え消え去る。宇宙にはこの原則を持つなにかが流れている。それは、我々が存在するすべての背景に流れるもの」これはジョージが自作の自伝で語っている概論です。そこには、すでにジョージハリスンがスピリチュアルな世界にいることであらゆる煩悩や悩みから開放されている姿が見て取れます。

ジョージが58歳で死去するとき、周りの人たちはその強靭な精神力に驚いていたといいます。あまりに落ち着いていたといわれるジョージの最期も、それはジョージにとっては精神世界への新たな旅立ちだったということでしょう。そこには何も不安もなく、疑問もなく、次のステップに向かっていったということもいえそうです。

ジョージハリスンが、どのようなスピリチュアルワールドに存在していたかはわかりません。どれだけ、我々と共通の精神世界をもっていたかもわかりません。ただ、ひとついえることは、天才といえども人間の根本は同じです。そこには、ジョージ自信が語る「宇宙の万物の原則」があります。その中では、なにも恐れることはなく、精神を流れに任せることができるなら、人生をより達観した静寂の中で送ることができるようになります。