アートの癒しパワー

モーツアルトの天才を証明する作品の癒し

透明にして硬質、繊細にして劇的…モーツアルトの天才を証明する作品の癒し

モーツアルトの作品で1曲を選べといわれても、それは不可能です。もちろん、好きな作品、しばしば聴く作品はありますが、それであってもあまり聴くことがない作品だからすきではないかというとそうはいえないのです。何故でしょうか?それは、モーツアルトの音楽の多くがまさに神の音としかいえないほどの完成度と純粋性をもっているため、優劣をつけて語ることができないのです。つまり、どの作品にもすばらしい生命力が尽きることがないのです。

モーツアルトの作品中、それでも1曲最初に取り上げるとなると、この「ピアノ協奏曲第20番」をあえて取り上げます。有名な作品ですが、クラシックファン、モーツアルトファンでないとあまり接したことがない作品かもしれません。しかし、この作品は誰にでもお勧めできる癒しがあります。まさに神の命によって書き上げられたような印象すら受ける完璧な美と力、そして永遠の輝きに溢れています。

もしこれからモーツアルトの接して、その音楽で癒しを求めていくなら、このピアノ協奏曲第20番を一度お聞きください。そして、もし通して聴いていくほど時間がないなら、はじめに第2楽章のロマンスをお聞きになってください。そこには、癒しという言葉を超越した美の聖天が再現されています。モーツアルトが優雅であって、しかも劇的な美をもつという意味がこの作品でよくわかります。雪の結晶のような、音楽が純粋に昇華された名曲であり、そこには真実の美だけが持つ癒しが厳然とあります。

この癒しこそモーツアルトだけがもつ、美と純粋性と硬軟あわせた完璧な整合性、その結実が見せる世界です。モーツアルトの癒しは、もちろん医学的に証明されても、それを理由をつけて言葉で説明することは難しいでしょう。なぜなら、それは感性をとらえる完全なものだけがなしえるものであり、それは言葉を変えれば選ばれしものだけが作り出す完全な神の声なのかもしれません。おおよそ、数値や実験結果としてそれを理由付けできるものではないのです。

上の動画は、天才ピアニストでありモーツアルトをまさに現代に再現したピアニスト「グルダ」の演奏のモーツアルト・ピアノ協奏曲20番の第2楽章ロマンスです。まさに天才の演奏ですが、この演奏がすばらしいのは、モーツアルトの美、天才、自由などをすべて包括した演奏であるからです。そして、グルダこそそんなモーツアルトの破天荒であっても完全な神の音を作り上げた天才として現代に伝えたピアニストでした。惜しまれますが、すでに他界しています。